いつでしたか、素人カラオケ大会のような番組が放送されていました。早朝の時間帯というめずらしさも手伝って、しばらくそれを見ていたのですが、何となくしっくりこないといいますか、次第に悲しみや怒りがこみ上げてきて、見ることをやめました。
その番組は、歌の下手さを競い合うものでした。下手であればあるほど笑える。そうした悪意に満ちた笑顔で、東日本大震災・原発事故の悲しみや不安を一時でも忘れようとでもいうのでしょうか? いずれにしても、懸命に歌う人がいて、それを笑う人がいる。これが人間の本性だと知りながらも、空しさを覚えずにはいられませんでした。
優越感と劣等感という心があります。この二つはまったく正反対のもののようですが、実は同じ心なのです。両方とも、「自分は人より上になりたい」「自分は下になりたくない」という心だからです。この番組は、その心をくすぐる。
すべての子ども達は、自分の中にある「成長しようとする力」を伸ばそうとしています。毎日、懸命に努力します。その結果、早く成長する子もいれば、少し遅れている子もいる。でも、みんな頑張っているのです。私達大人は、そんな子ども達を、どこまでも応援するしかありません。
できないこと、努力していることを辱(はずかし)め、上手いこと、できることを驕(おご)る。その行為の愚かさに気づく人になってほしいと心から願いますし、今年から始めた職員学習会で、そのことを話してみたいと思っています。 |